新年の抱負～デンパノモリの過去・現在・未来～

2015/01/06

ブログを書いている以上、やっぱり新年の抱負とか書かないといけないのかな。

書こうかな。書きましょう。

未来を語るにはまず過去を見直して、現在を正しく把握することで語れそう。

という訳で、株式会社電波の杜という決して電波系じゃない会社を経営している現在まで、一体何がどうなったのか見直してみます。

・・・・・・・・・・・。

早稲田大学在学中、手にしたPHSに感動して早大PHS研究会を作りました。
活動は白ロム収集と電測。
その成果を発信する場として、ホームページ「電波の杜」を作りました。
PHSの「電波」に早稲田の「杜」で「電波の杜」です。
これが名前の由来ですよ！
電波系ではありませんよ。
電波系ではありませんよ。（２回言いました）

時は1997年。
インターネットが面白くて面白くて仕方なかったあの時代です。

そもそもパソコンを持っていなくて当然プログラムも知らない自分は、
大学の端末室を使い、
ジオシティーズの無料サービスを使い、
メモ帳に見よう見まねでタグを書いて、
ホームページを作っています。

大学の端末室は24時間オープンだったので、徹夜して使い倒しました。

どれだけ時間があっても退屈なことは何一つなく、ペリーの肉声テープとか先行者とか、それはもうめくるめくインターネッツの世界に朝昼晩と浸っていました。

●れさくメモ１：インターネットは楽しい

当時すでにPHSヲｔ・・・モバイルの達人たちは数多く存在し、それぞれホームページを運営していました。
皆さん知識も技術もハンパなく、れさくでは太刀打ちできません。
無理して真似して同じテーマのホームページを作っても、見る人にとっては同じようなサイトがあるだけでつまらない。
何より作っている自分がつまらない。
そこで「笑い」で差別化することにしました。

差があれば作る価値がある。
見に来る価値がある。
自分もみんなも楽しい。

という訳で、トップクラスじゃないけど独特のポジションにいるサイトとしてそれなりに認識されていたようです。

●れさくメモ２：人と同じことをしないで差別化する

●れさくメモ３：同時から独自系だった

そんなことをしているうちに皆さん就職活動とか始めてしまうのですが、れさくは他の人と４年も差が開いてます。

・高校卒業して家出して新聞配達屋へ（＋１年）
・新聞屋で得た技術と資金でバイク放浪と18切符で全国乗り鉄放浪（＋１年）
・歳取ってることに気付いて受験勉強始めた結果ジョジョ全巻が揃う（＋１年）
・大学4年目に卒業したくなかったのでわざと1単位だけ落とす（＋１年）

時は1999年。
当時はここ数年の就職氷河期が霞んで見えるほどの氷河期。
その上さらに４年のハンデです。
つまり普通の就職活動なんてやっても無理です。

やっても無理なら、やらなければいいんです。

という訳で、一切就職活動をしませんでした。

作戦：なんとかなる

そうしたら携帯の公式サイトを作っている会社でアルバイトしている人から、旅行に行くから10日間だけ代わって欲しいと言われて、行くことにしました。

●れさくメモ４：なんとかなる

電波の杜やってるくらいなので、携帯に関する仕事なんて面白そうじゃないですか。
まあ携帯公式サイトなんて使ったことないしハッキングの対象でしかなかったのですが。
（※クラッキングじゃなくてハッキングですよ）
パソコンもプログラムも知らない自分ですが、そんな自分に声を掛けてくれたのですから、そんな自分でもできる仕事に違いない。やったあ。

そしていきなりサーバマシンの前に座らされて涙目の自分がいました。

何の役にも立たなかったのですが、何故か10日後も来ないかと声を掛けてもらい、時々通い、しばしば通い、連日通い、毎日通って気が付いたら1年が経ってました。

じゃあ正社員にならないかと言われ、正社員という単語の意味も分からないまま（なんで社員に正とか正じゃないとかあるんだろう？）

れさく的思考

本来）
正社員：不自由だけど安定
バイト：自由だけど不安定

現実）
正社員：不自由だけど安定
今の自分：不自由で不安定

同じ不自由だったら消去法で正社員の方がいいよね！

という訳で10日間のはずが10年いることになりました。

●れさくメモ５：不自由は安定

さてそんなこんなで2003年。
大好きなDDIポケットが位置情報技術を一般に開放してくれました。
乗換案内とか地図サービスなど位置情報を使うサービスに必須の位置情報技術は、当時公式サイトにしか解放されていませんでした。
それが誰でも自由に使える！
しかもAirH”Phoneとかブラウザが載った端末でしかもパケット定額で！
インターネッツ黎明期のワクワク感です。

何か作ろう。何作ろう。
とりあえず取得した位置情報で現在地の市区町村名を出すサイト作ろう。
でも緯度経度とかよく分からない。
微妙にズレた間違った地名が出る。
ええい、じゃあ「そこは間違った場所ではない」ということにしよう。
そこに「あなただけの地名」を付けることで、バーチャルに「正しい場所」を作り出してしまえ！
その瞬間。
バーチャルとリアルが一瞬だけ触れたのです。
この楽しさ。

そしてその地名を「国」にしました。
でもリアルな場所に別の人が来て位置情報を取得すると、その国を攻撃して自分の国にできてしまう。

これがれさくの最初の位置情報ゲーム「妄想の帝国」。

電波の杜というブランド名に「妄想」が加わり、ますますおどろおどろしくなっていきます。

●れさくメモ６：位置情報ゲームは楽しい

●れさくメモ７：位置情報ゲームの楽しさは位置ではなくバーチャルとリアルの接触にある

●れさくメモ８：名前は大事だよ

こうして昼はサラリーマンとして公式サイトを作り、夜は趣味の位置情報ゲームを作るという生活スタイルができました。

コロプラさんや国盗りさんが真面目な位置ゲーを作る中、れさくは黙々と独自の変な位置情報ゲームを作る。

位置ゲー研究の大家がまとめた「位置ゲーの歴史」には「電波の杜系（独自系）」とか書かれる始末。

●れさくメモ９：やっぱり独自系だった

そこでちょっと実験することにしました。
つまり「自分がフツーの位置ゲーを作ったらどうなるだろう？」という試み。

普通に身近で理解しやすい位置情報のポイントは、例えば駅だ。
じゃあ位置情報で駅を集めよう。
集めたらどうなる？
鉄道は路線単位でコンプリートできそうだ。
サービス名は？
普通の人が分かりやすいようにキーワードを並べよう。
「駅」「コレクション」「制覇」
じゃあ「全駅制覇！駅コレクション」だ！
わざと長くすれば自然に「駅コレ」と呼ばれるはずだ。

こうしてできた駅コレ、そこそこ多くの人に遊んでもらえるようになりました。

●れさくメモ１０：大多数の人間は普通である

●れさくメモ１１：やっぱり名前は大事だよ

そうこうしているうちに、いろいろな会社から駅コレについてお仕事的な話が来るようになりました。

自分のいる会社は副業禁止規定はなかったけど、このまま片手間で社外の人と仕事の話をするのは、相手にも自社にも失礼だよなー。
でも起業したくないなー。
経営とか分からないしなー。
怖いしなー。
でも動くなら今だよなー。
位置ゲーブームとか言われてるしなー。

ブームは永遠に続くはずはない。
でも続いている数年の間を利用して安定軌道に乗せれば、ブームが終わっても何とかなる。

山本れさろく「起業には反対です。でもやるとなったら半年や1年は暴れて見せます。ですからその間に有利な形で決着を付けて下さい。」

2010年12月。
株式会社電波の杜が設立されました。

●れさくメモ１２：名前は大事だって何度も言ってんだろ！

そして1年経たないうちに、星の数ほどあった位置ゲーや位置情報サービスが消えて行きました。
あれ？作戦は？

起業１年目：とても大変でした。
起業２年目：とても大変でした。
起業３年目：とても大変でした。
起業４年目：とても大変でした。

●れさくメモ１３：起業はとても大変